第二月目【第28日】のDM説法
「右に繞(めぐ)ること七匝(しちそう)して」という表現に対しこの法華経中では七匝だけでなく三匝するという場合もあるようですが、よく法華経の中に時々出てきてますね。
これは、釈迦などの佛に対し菩薩が挨拶する時の決まりきった作法であるかのようです。
ところで、三匝と七匝があるようですが、この三や七の表現は、何となく、三宝や七宝などを動作に表している作法かと思えてきます。
そこで、調べてみますと右繞三匝という語があって、古くからインド仏教に伝わる礼式の一つで、仏の周りを右回りに3回まわる作法であるとだけ書いてあります。
古くからの伝統作法のようですが、右繞七匝という語はないようです。
ところで、右回りに3回或は7回まわるというのは、どういう意味でしょうね?
3回まわってワンと言え、なんてからかい遊びは昔の日本の子供にはありましたね。
こういうのは、佛に対して謙遜して頭が悪いように見せるというより、佛に対して何か義務責任を持って提供している意味の作法であるはずですから、素直に日本的に考えれば、この三匝・七匝とは、お辞儀やお礼を重層に重ねてしているということでしょうね。
また、あえて右回りという表現は、たとえば、佛に直接向ける大事な頭を形だけでなく、考えを皆右回転にそろえなさいという感じでしょうか。
そもそも釈迦などの佛は、右と左の違い、その他上下前後など各々の別々な位置や方角の性質を見抜いていて、その違いに非常に拘りをもつ古くからの伝統様式をとても貴重に考えていると思えますね。
ところで、三宝と七宝のことですが、三宝とはいわば佛・法・僧という無形文化財のようなものであって、七宝とは七つの宝石など現物固体の宝物をいうように思えるのですが、普賢菩薩の場合の作法は七匝を定型としているとすれば、おそらく、普賢菩薩の宝威徳上王佛の国では、現物としての七宝のほうをとても重要視する風習のあるお国柄なのではないかと思います。
そのように考えますと、王佛という王様がそのまま佛であるような国では、王様の財宝主義な考えが中心であって、どちらかというと三宝より七宝を大事にする習慣を重んじていることが伺えますね。
「 4. 今 日 の 知 識 ! (道)」より